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【『ノモンハン : 見下ろす神、地を這う神』 第百十一回】 [ノモンハン考]

☆・・・『ノモンハン:70年前の記録・6月 ①』

 今回も、『ノモンハン美談録』より。

     *     *

   ◇六月十五日

 五月下旬の徹底的敗北にもかかはらず、外蒙ソ連軍は、再び将軍廟及びノムトソーリン附近に進出し来り満軍の警備隊と交戦す。

   ◇六月十七日

 六時頃ソ連機十数機ハロンアルシヤンに飛来盲爆、又アムクロ上空に飛来したるи十六型機は不法にも旭日の標識を以て飛来す。

   ◇六月十八日

 六時頃敵機и十六型機十六、七機甘珠爾廟、阿穆古朗附近に襲来、機上掃射及び焼夷弾を投下満軍のガソリン缶糧秣に若干の損傷を興ふ。

   ◇六月十九日

 十三時三十分敵機十二、三機編隊、ハルハ廟を空襲、十六時及び十七時敵機十数機チヤガンウルオボーに於て満軍を空襲軍馬その他に若干の損傷を興ふ。一方ソ蒙軍は戦車装甲自動車等の機械化大部隊約一千を以てウアガンオボー夜襲し来るも、我が第一線部隊によつて二十一日に至り全く撃退され、ボルンデルス附近に退避、満軍と対峙するに至る。
 満洲国政府「この上は実力を以て断乎国境線外に反撃の用意」ある旨厳重抗議を發し外蒙側の猛省を促す。

   ◇六月二十日

 十時頃ボルンデルス附近に於て外蒙ソ軍の装甲自動車十輌によつて我が斥候包囲攻撃を受く。我が方肉弾戦を以てこれに応戦し弾薬満載のトラツク一輌を捕獲す。

   ◇六月二十一日

 二十一時頃外蒙ソ軍の戦車二十輌、兵力三百ツアガンオボーを攻撃し来る。わが方これと交戦一時間半にしてボルンデルス方面に撃退す。
 十一時頃、敵機九機甘珠爾廟附近にし越境来るも我方に損害なし。

   ◇六月二十二日

 十六時十五分及び十七時二十分の二回に亙りソ連戦闘機и十五、十六型機六十機及び百機の編隊を以て甘珠爾廟の上空に越境飛来、これに対し我航空隊十八機を以て遊撃し、その五十六機を撃墜す。我方の損害僅かに四機。

   ◇六月二十三日(ちょうど70年前!)

 ボイル湖上空に偵察に飛来せる敵機五機を駆逐、一機を撃墜。

     *     *

 ・・・<第一次ノモンハン事件>が終息し、さて、今回の<第二次ノモンハン事件>が戦端を開くまでに、二週間を経ている。

 この二週間に、かなりのソ連の戦力が、シベリア鉄道+陸路満蒙国境に終結させられていた。

 二週間とは、その配備に充分な期間ではあった。

 情報は、関東軍の司令部には入ってきていたのである。

 だが、果たして、その情報の内容を、参謀本部はどう捉えていたか?

 その答えは、今は出せない。

 だけれども、第23師団師団長の小松原道太郎中将は、、ロシア駐在武官の経歴をもっていて、ロシア語にも通じ、日本陸軍有数のロシア通として名高かったのだが・・・。

 ・・・『飛来したるи十六型機は不法にも旭日の標識を以て飛来す』。

 不逞のやからである。

                       И-16.jpg

 こちらのサイトで写真を拾いました。

 解説やスペックも併せてどうぞ^^

                       I-16 (航空機)(クリック!)

 ・・・『満洲国政府「この上は実力を以て断乎国境線外に反撃の用意」ある旨厳重抗議を發し外蒙側の猛省を促す。』。

 後世言われるような関東軍の強引振りはなく、出来る限り専守防衛に徹し、外交努力で解決を図ろうとする姿勢が窺える。

                                                    (2009/06/23)
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